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院長の日記

2001.11.21  「ケロイド体質」という言葉の意味

本当のケロイドは、正常皮膚を越えて広がっていく傷跡のような盛り上がった病変です。
典型的な場合は、胸にできた小さなポツッとした発赤が徐々に大きく広がっていき、胸の中央にある場合は、蝶が羽根を広げたような形になったりします。
肩もできやすい部位の一つです。

これらのケロイドができる方を「ケロイド体質」と俗に呼んでいます。
しかし、一般には上記のケロイドではない場合も含めています。
たとえば、手術の傷跡が盛り上がっている場合は、本当は肥厚性瘢痕と呼ばれる普通の傷跡の盛り上がった状態です。ケロイドではないので正常皮膚に広がりません。肥厚性瘢痕の中には、ケロイドと鑑別しにくい場合もあります。

ところが実際には、術後の傷跡が盛り上がっているというだけで、患者様に「あなたはケロイド体質です。」と医師が説明しているケースもあります。中には術前に「あなたはケロイド体質ではないでしょう。」と言っておきながら、術後に傷跡が肥厚性瘢痕になっていると前言をひるがえして「あなたはケロイド体質だったのですね。」という先生もいます。それでは、ケロイドの治療をするかというと、何もしない場合が多いのです。

私のクリニックに受診された方々の中には、以前別の病院で「ケロイド体質」と言われたという方も少なくありません。ただ、そう言われた方々の中には、私から見ればケロイド体質ではないのでは、と思うような方もおられます。あえて極端な言い方をすれば、その先生の皮膚縫合の技術に問題があるのではないか、と思えるケースもあります。

傷跡の問題は、形成外科にとって非常に大きな問題です。私は大学での形成外科研修医時代に教授からこういわれたことがあります。「他の科では皮膚の下の臓器の手術が終われば、もう治療は終わったと思う先生もいる。だから皮膚縫合は若い先生にさせたりする。しかし形成外科はここから治療が始まる。」

他の科と形成外科がちょっと違う事の一つに、「結果がすぐ見える」という事があります。傷跡はご本人を含め誰でもみれます。シビアーに結果が見られる中で治療を行うという事に形成外科の厳しさがあります。また美容外科は形成外科の一分野です。究極に小さい傷跡の治療と同じと考えています。


投稿者 横浜FCクリニック形成外科 (19:36) | PermaLink
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