院長の日記
2002.01.05 最後の決め球は?
2002年の始めでもありますので、マジな話を書きます(?)。
一つの治療について多くの方法があります。
たとえば二重まぶたを作るにしても埋没法や切開法があります。切開法も部分切開法といわゆる普通の切開法があります。埋没法も目の裏側の結膜から入る方法(経結膜式)と、皮膚側から入る方法(経皮的埋没法)があります。経結膜式埋没法も微妙な違いを区別すれば、かなりな数の方法があると言えるでしょう。それらの方法でどの方法が良いのかという事を決めるのは非常に難しいと思います。
なぜなら方法のみで優劣を決定できないからです。手術法と術者の技量の他に、治療を受ける方の局所の症状もその治療がうまくいくかどうかの要素になるからです。
大切な事はそのクリニックの先生の一番得意な方法で行う事が良いのではないかと思っています。それがその先生の今までに得てきた経験からくる現在の解決法だからです。
しかし厳密に言うとそれだけでは無いのです。それは医師の手術法を選択する考え方です。これは技術以前の段階なのです。
これだけではわかりにくいと思いますから、具体的に説明します。
野球に関する事ですが、以前にある番組でセ・リーグとパ・リーグを代表する捕手に同じ質問がされました。それは「決め球をどのように決めるか」と言う質問でした。その時の回答ですが、1人は「相手の打者の弱点をつく」と言い、もう1人は「投手の一番いい球を投げさせる」と言いました。
これは非常に興味のあることでした。私の言いたいことは、この違いなのです。
「相手の弱点」とはこの場合、局所の状態を十分診てそれに合わせて手術法を決めると言うことになるでしょう。「一番いい球」とは自分の一番得意な手術法を多少のバリエーションも加えつつ行うことになるでしょう。
医者の思考法を無理にこの2つのタイプに分ける必要は無いと思いますが、ほとんどの医師はこの両者を組み合わせて判断し、日常の診療を行っていると思います。しかし強いて言えば、おそらく基本的にはどちらかに偏っているのだろうと推測します。私はどちらかというと、「相手の弱点をつく」タイプだと思います。
以上が今の私の考えですが、これからもどんどん経験は増えていきますので、マリナーズの佐々木投手のフォークボールの様な技があれば考えも変わるかもしれませんし、それを目指したいと思います。
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