横浜FCクリニック形成外科院長の日記
2002.02.20 仕事は楽しい?苦しい?
以前相撲の横綱、貴ノ花関が「相撲をやっていて楽しいと思ったことはない。」という内容の事を言われたことがありました。将棋の羽生四冠も「将棋を楽しいと思ったことはない。」と最近の手記で書かれていました。
逆に、スポーツ選手のコメントで「今日は楽しくプレーする事ができました。」と言う方もいます。
前者は究極のプロ根性、後者は究極の平常心というものでしょうか。どちらがいいというものでは無いと思いますが、記憶に残る言葉です。
私の今の仕事に対する気持ちはというと、中途半端というか(^_^;)、苦しいときもあるし楽しいときもあるという感じです。
ソルトレークオリンピックを見ていて、その選手の背負っているプレッシャー、プロ(アマ?)根性、平常心などを考えてみました。
2002.02.15 手術のプレッシャー
今は、ソルトレーク・オリンピック開催中ですが、日本勢がなかなかメダルに手が届かなくて残念です。
今回驚いたのは、スピードスケートで清水選手のライバルで優勝候補だった選手が、スタート早々に転倒してしまったことです。やはり並々ならぬ雰囲気の中でのプレッシャーはものすごいのでしょう。
私たち外科医も手術中は、ある程度以上のプレッシャーを持ち続けています。そのプレッシャーの中で常に心掛けていることが2つあります。
一つは万一の予想外の状況への対応です。ゴルフでいうトラブルショット後のリカバーショットです。これは手術を開始する前の麻酔を行う時も入りますし、当然手術経過も入ります。この時に迅速に対応できるようになるには、やはりある程度の経験が必要です。
もう一つは、術前から手術中を通じてのイメージ、読みです。これは囲碁や将棋に似ているかもしれません。読みは正確でないといけません。勝手読みではうまくいきません。
この二つに注意しながら、見た目には平然と手術をしているのです。
医者になって間がない頃に先輩の先生に言われたことを思い出しました。「外科医は手術中に何があってもアッと声を出してはならない。黙って迅速に対応しろ。」です。その訓練として、お化け屋敷やジェットコースターで肝を鍛錬するのだ(?)とも言われました。
2002.02.06 中周波(ミクロンタッチ)に対する新たな見解
以前に中周波治療はエルビウムヤグレーザーに相当するのではないかと書きましたが、あれからも数多く施術した事で、新たに解った事があります。
中周波治療では、皮膚表面のメラニンが取れるのですが、残存したメラニンも2週間から1ヶ月くらいで徐々に無くなっていきます。
おそらくは破壊されたメラニンが徐々に排出されていくのではないかと思います。その意味では現在アンチエイジング治療によく使用されているIPL、フォトフェイシャルに近いのではないかと思っています。
2002.02.04 「当社比」的コメントについて
前回書きました埋没法について、まだ書いてないことがありましたので、続いて書きます。これも他の先生と話をして感じたことです。
二重を作るのに経結膜式埋没法をされる先生の中には、経皮的埋没法について、原理的にはわかっていても、微妙な部分はわかっていない先生もいる、ということです。
逆に、私を含めて経皮的埋没法をしている医者は、経結膜式埋没法についての微妙な部分がわからないのだろうと思います。
そう感じたのは、糸を架ける部分についての議論で食い違いがあったからです。中にはまったく的はずれのコメントがありました。
しかし、このようなことはすべての科で見られることと思います。
私は卒後整形外科に入局していました。骨折の治療では、部位による特徴で治療方針が決まることもありますが、最終的にどの方法で固定するかを決める場合は、そこの先生の得意技になる可能性が高いといえます。その手術法を一番数多くしているわけですから当然といえば当然です。
手足の骨折の治療では、色々な方法があります。骨折部に金属の板を当てて元に戻し、そのプレートをネジで留める方法や、骨は中が軟らかく「ちくわ」の様な管状になっているのでその中に金属の棒を入れて固定する随内固定法、骨折部の両端の骨に皮膚側から金属の棒を刺して、この棒を手足の外側でつないで固定する創外固定法など、様々でありそれぞれ特徴があります。当然、手術をできるだけ行わずに徒手整復を行い、その後のギプス固定にこだわる先生もおられます。
逆にあらゆる方法を完璧にできるという先生はいないと思います。
それらのほとんどは、教えてもらった師匠というべき先生の方針の影響を受けています。どの方法がいいというのではなく、それぞれの先生のそれまでの人生の結集なのです。
私が経皮的埋没法を行っているのは、自分なりには理由がありますが、結局は好みの問題と、一番数多くやってきたから、としか言いようがありません。経結膜式埋没法との違いは、自分の経験の中での比較ですから、他院との比較はできません。いわば電化製品のCMに登場する「当社比」です。
以上の理由から、埋没法などの手術法についての一般的なコメントはできても、他院の方法との具体的な違いなどはコメントできません。微妙な部分がわからないのに、コメントする事はできないからです。
野球解説でたとえると、投手出身の解説者と野手出身の解説者の違いでもあると思います。投手出身の解説者は投手の心理や投球術の解説が上手で、一方野手出身の解説者は打者の心理や技術の解説が上手です。しかし、投手出身の解説者が打撃についての簡単な説明をしても、神髄の部分まではコメントできません。
しかし、それでいいのです。同じ野球解説でも色々な見方があっていいと思います。
一つの見方だけが正しいという事はないと思います。
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