院長の日記
2002.02.04 「当社比」的コメントについて
前回書きました埋没法について、まだ書いてないことがありましたので、続いて書きます。これも他の先生と話をして感じたことです。
二重を作るのに経結膜式埋没法をされる先生の中には、経皮的埋没法について、原理的にはわかっていても、微妙な部分はわかっていない先生もいる、ということです。
逆に、私を含めて経皮的埋没法をしている医者は、経結膜式埋没法についての微妙な部分がわからないのだろうと思います。
そう感じたのは、糸を架ける部分についての議論で食い違いがあったからです。中にはまったく的はずれのコメントがありました。
しかし、このようなことはすべての科で見られることと思います。
私は卒後整形外科に入局していました。骨折の治療では、部位による特徴で治療方針が決まることもありますが、最終的にどの方法で固定するかを決める場合は、そこの先生の得意技になる可能性が高いといえます。その手術法を一番数多くしているわけですから当然といえば当然です。
手足の骨折の治療では、色々な方法があります。骨折部に金属の板を当てて元に戻し、そのプレートをネジで留める方法や、骨は中が軟らかく「ちくわ」の様な管状になっているのでその中に金属の棒を入れて固定する随内固定法、骨折部の両端の骨に皮膚側から金属の棒を刺して、この棒を手足の外側でつないで固定する創外固定法など、様々でありそれぞれ特徴があります。当然、手術をできるだけ行わずに徒手整復を行い、その後のギプス固定にこだわる先生もおられます。
逆にあらゆる方法を完璧にできるという先生はいないと思います。
それらのほとんどは、教えてもらった師匠というべき先生の方針の影響を受けています。どの方法がいいというのではなく、それぞれの先生のそれまでの人生の結集なのです。
私が経皮的埋没法を行っているのは、自分なりには理由がありますが、結局は好みの問題と、一番数多くやってきたから、としか言いようがありません。経結膜式埋没法との違いは、自分の経験の中での比較ですから、他院との比較はできません。いわば電化製品のCMに登場する「当社比」です。
以上の理由から、埋没法などの手術法についての一般的なコメントはできても、他院の方法との具体的な違いなどはコメントできません。微妙な部分がわからないのに、コメントする事はできないからです。
野球解説でたとえると、投手出身の解説者と野手出身の解説者の違いでもあると思います。投手出身の解説者は投手の心理や投球術の解説が上手で、一方野手出身の解説者は打者の心理や技術の解説が上手です。しかし、投手出身の解説者が打撃についての簡単な説明をしても、神髄の部分まではコメントできません。
しかし、それでいいのです。同じ野球解説でも色々な見方があっていいと思います。
一つの見方だけが正しいという事はないと思います。
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