院長の日記
2002.04.22 イメージすること
この世に外科系の先生はたくさんおられます。ですから手術に対する考え方もたくさんあると思います。
私の手術法の決め方では、イメージを重要視しています。
形成外科や美容外科では、一つの治療目的の方法が、数多く存在します。
たとえば、人体のある部分の皮膚組織を切除して、その皮膚のない部分を縫合閉鎖するという場合に、最初は一見不規則なジグザグのように切開していても、それを組み合わせてきれいに縫うことで、術後の傷跡をよりきれいにしていくことができます。
そういった細かい手術法は何十とあるのです。そして、この手術法では・・・こうなる、と言ったように頭の中でいくつもシミュレーションをしていくのです。
囲碁や将棋の棋士の方たちが、いわゆる「読み」として、色々な局面で考慮されるときに、多くの展開した場面が目に浮かぶと言います。私は、外科医の方法選択の場合も選択肢の数は少ないにしても、それに近いのではないかと思っています。
次に、美容外科における二重手術を例にします。
まず最初に二重ご希望の方のまぶたの状態を視ます。たとえ触診をしなくても、この時点で可能な二重の範囲がある程度わかってきます。次に、ご希望の二重の感じを聞いて、色々と二重を実際に作ってみます。そしてその二重をイメージしてみるのです。その結果、イメージに一番有効な手術をまず第一に選ぶことにしています。
手術前に鮮明にイメージが浮かぶ時には、結果もいいように思います。滅多にありませんが、イメージが浮かびにくい場合は慎重に考えていくことにしています。
卒業してまだ間がない頃に、ある先生から「手術にうまくなりたければ、その手術のイメージを頭に浮かべろ。ちゃんとイメージできれば腕が上がる。」と言われました。自分も20年して、この意味がわかるような気がしました。
2002.04.12 認定医であること
ふと認定医であることの意味を考えてしまいました。
私の認定医といっているのは「日本形成外科学会認定医」です。認定医は、その学会に一定期間以上入会しており、一定以上の修練を行い、一定以上の技量を持っていると認められた医師に与えられるものです。
形成外科の認定医は、取得するために色々な条件があります。一定以上の年数の治療経験以外に形成外科領域全般に渡る手術経験が要求され、一つ一つどのような手術をして、どのような経過であったかを規定の用紙に書いていきます。自分が執刀又は助手についた手術が60件、自分が執刀した手術を10件まとめます。その時に色々な分野の手術をバランス良く選ぶ事が必要です。
そのリスト作りは結構大変でした。大学病院など形成外科の医局が多い地域では、手術件数が集まりにくいという話も聞きました。幸い私の所属していた大学では広範囲の治療を数多く経験することができたので、件数不足で困ることはありませんでした。また、筆記試験もあったので、たくさんの問題を勉強したことで、知識の再確認をすることができました。
今年で認定医を取得してから9年になりますが、そこまで苦労して取得した認定医の効果が現在も出ているかというと、ちょっと考えてしまいます。
認定医でも治療に難渋するときはするし、逆に認定医のライセンスを持っていない医師でもすばらしい技術を持っているかもしれません。
開業医である私の日常診療に直接役立っている技術・知識はその中の僅かです。
では全然役に立っていないかというと、そういうわけでもありません。結局認定医を取得するための苦労もすべて私の意識下に存在しているのだと思います。
しかしこの貯金を充てにしていたのではいけません。修行は今でも続いています。修証一如、日々是道場ということです。今では技術的なことはもちろん人間性も試されていると感じます。
2002.04.08 伝えることの難しさ
同じ内容を伝える場合でも、言い方一つで相手を喜ばせることもできるし、怒らせることもできます。
しゃべる方が意識してそう伝えている場合は別ですが、そうでない場合もあると思います。カウンセリングで一番気を付けなければいけないことです。いつも心掛けなければいけないことですが、つい忘れても大丈夫なように日頃から同じ気持ちでいることが大切です。そういう意味では私もまだまだ未熟です。掲示板の回答でもうまく伝わっているかどうか気になることもあります。
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