院長の日記
2006.11.22 囲碁的人生?
かなり以前の日記にも一寸書きましたが、私は囲碁も好きです。
個人的にはぜんぜん強くありません。
今は試験をうけていませんが、10年前くらいに初段をうけたときには落ちて、1級です。
その試験も、いい加減だったので、もう一寸まじめに考えていればと今では思っています。
囲碁のどこがすきかと言うと、まず第一手からどんどんと黒石と白石が打たれてゆき、盤面に模様ができていくところです。
NHK教育の囲碁は見ていて飽きません。
囲碁はご存知の方も多いと思いますが、人生哲学に関する言葉が多いのです。「駄目だ!」と言うときの「駄目」も囲碁から来ています。「岡目八目」も語源は囲碁からです。
囲碁は将棋と違うところが多いのです。
将棋はどちらかというと白黒はっきりさせます。もっとも、白黒があるのは囲碁の方ですが。f^_^;
囲碁も勝負はつきますが、将棋よりジワジワと進む感じです。
将棋は相手の王様を取ることが目的ですから、盤面全体での優位さを競うことになります。
一方、囲碁は盤面全体での地の合計で多い方が勝ちですので、局地的には黒番、白番どちらも自分が有利な部分を持っていることが多いです。
ですから囲碁は、有利であるか不利であるかを問わず局地戦の組み合わせです。そしてプロ棋士の戦いをみていても無理にその局地戦をはっきりさせようとはしません。
今動くよりも後で動くことが良い場合が多いからです。
このような感覚をプロは「味が良い」とか「味が悪い」と表現します。
盤面全体をみて把握することを大局観といいます。碁ではこの大局観が非常に重要です。
私は囲碁の戦いを観て、非常に人生観を感じさせる戦いだと思います。
なぜならそれは、一つの盤面でいろいろな問題を抱えながら時間が進行するからです。
囲碁では一つ一つ局所的に解決しながら進行することはほとんどありません。
自分に影響のあるところは当然相手にも影響するところなので、あとで少しずつ小出しにしていきます。
つまり、いくつもある問題点をすべて保留しながら、その中で最善の手を一つだけ順に行っていきます。
最後に詰めの部分を行う経過は「ヨセ」といいます。
ヨセも重要で、ヨセの段階で逆転することもよくあります。
学校での試験でも、まず問題用紙を一度全体に眺めて、自分にできる所からやっていくほうが効率がよくなります。
1番から順に行うことに固執すると、時間がなくなり終わりのほうの問題ができなくなる可能性があります。
私が大学時代にいた頃ですが、教授が大の碁好きでした。その教授から聞いたことで記憶に残っていることがあります。
「碁は無言の対話やねん。私はこちらの地を取りますというと、相手は、じゃあ私はこちらの地を取りますというように、お互いが地の取り合いをする勝負やねん。そして、そん中で少しずつ相手より得をすることで勝ちにもっていくんや。」(教授は関西出身です(^_^;) )
人間は誰でもその時その時に問題を抱えながら暮らしていきます。
当然すぐ解決することもあれば、現時点では保留にしなければならないことも少なくないと思います。
そんな中で、あきらめずにコツコツとその時に最善の手と自分が思う手を淡々と打っていくという碁は、人生と同じです、と思います。
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