院長の日記
2008.03.11 アクセプタブル・エイジングの先にあるもの
私は、「加齢」の向こうにある「死」への恐れも、アンチ・エイジングに気持ちが走ることに拍車をかけているのかもしれないと思っています。
現実的には、認知症になることへの不安や、動けなくなることへの不安があると思います。
自分もつらいし、周りの者にも迷惑がかかるということで、不安だらけになります。
これは実際にどうなるかはわかりません。
私もポックリ死ぬかもしれないし、寝たきりになってしまうかもしれません。
家族やもし施設にいれば施設の人に、それなりの迷惑をかけることになるでしょうね。
ここに至っては、私も回答と呼べるものは持ち合わせておりませんが、考え方が一つはあります。
初期の仏教の経典に、「一夜賢者の偈」があります。
これは短いお経です。
一夜賢者の偈中部経典131
過ぎ去れるを追うことなかれ
未だ来たらざるを願うことなかれ
過去 そはすでに捨てられたり
未来 そはいまだいたらざるなり
されば現在するところのものを
それがあるところにおいてよく観察すべし
揺らぐことなく 動ずることなく
そを見極め そを実戦すべし
ただ今日まさになすべきことをなせ
たれか明日死のあるを知らんや
誠にかの死の大軍と逢わずというのはあることなし
かくのごとく よく見極めたるものは
心をこめ昼夜怠ることなく実戦せん
かくのごときを一夜賢者といい
または心鎮まれるものとはいうなり
「一夜賢者」というのは、お釈迦様のように完全に悟りを開いたという人(賢者)は非常に少ないが、一晩くらいの短い時間であれば「悟り」に近づける人はいるだろうということで名づけられたそうです。
今風に言えば「プチ賢者」です。
また、言葉を作ってしまいました。(^_^;)
私はこの偈が好きなのですが、何故この偈をここに書いたかといいますと、御覧のように「今」と「死」について両方とも書いてあるからです。
「たれか明日死のあるを知らんや 誠にかの死の大軍と逢わずというのはあることなし」と書いてありますように、「誰でも明日にでも死ぬかも知れないのだ。今までにも死ななかったという人はいないのだ」ということです。
一夜賢者は、昨日も未来も重視しません。
あるのは「今」だけであるという考えです。
この偈を私のなかで解釈すると、
今までのことにもこだわらず
未来のことにも不安を持たず
今、目の前にあることをよく観て
楽しみながら、やるべきことをやろう
いつ死ぬかはわからないが
少なくとも死ぬまでは、何かを、やれることをやろう
ジタバタするしかできないなら、しっかりとジタバタしよう
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