横浜FCクリニック形成外科院長の日記
2009.04.20 技術は孤独なもの
基本があり、それを基にして色々な技術を自分の体で覚えていくことになるのですが、ここでまた疑問が出ました。
「基本って何?」
辞書には、「物事が成り立つためのよりどころとなるおおもと。基礎。」と書いてありました。
医療でも、当然多くの技術的な内容があります。その様な技法を身につけようとする段階で、いつも思うことがあります。
それは、その基本の動作が100%そのまま自分の動きとして使えるという事は、おそらくというかほとんどないだろうということです。それは心身両面から理由があります。
体全体を使う動作は勿論ですが、たとえ手作業的なことでも、人それぞれ手の大きさや形、バランス、比率が違います。手の大きい人と手の小さい人では、当然動きが違ってきます。
さらに、この技術を学ぼうとする時に、必然的に使わなければならない「脳」も違います。 脳が違えば、その技術に対する解釈も違うでしょうし、性格も習得する経過に影響してきます。
だいたい地道な努力は、継続することが苦痛でない気長な性格の人のほうが向いているでしょう。
それから、当然「好きであること」「興味を持っていること」「真剣であること」が重要になってきます。
このように色々な要素が絡んでくる以上、同じ内容が100%完全に伝わるということは不可能ではないかと思えてくるのです。
どうしても教える側の人の個性というか、その人の解釈、感覚、コツも引き継がれていくからです。
少しではあっても「伝言ゲーム」の様相も呈しているという事です。
大事なことは、いかに本筋からぶれないようにするかという個人なりの努力でしょうね。
そう考えると、時にその技術において傑出した人が出現するのは、一言で言えば「天賦の才能」かもしれませんが、その人の解釈が創始者の理論に近づいたか、もしくはほぼ一致したという状況なのかもしれないですね。
そう考えるとわかりやすいですから。
仏教も同じことが言えますね。 例えば浄土真宗であれば、親鸞聖人の思いから代々経過していけば、どうしてもぶれると言うか、変化していくと思うんです。 その中で、考え方が親鸞聖人とほぼ一致した方が蓮如上人なのではないかと考えたりしています。
私自身のことですが、手術の感覚やレーザー治療の手順など自分の技術を教えるとしても、言葉では説明できない感覚があり、全てを伝えることは無理だなと思っています。
それで、基本について考えてみたのですが、結局「全てを伝えることはできない」という自己弁護になってしまいましたが。f^_^;
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