横浜FCクリニック形成外科院長の日記
2009.06.30 美容外科の役目って?
何ヶ月か前になりますが、あるテレビ番組で観たことです。
ある外科医の先生が将来生まれ変わったら美容外科医になりたいと言われました。
世界中の女性をきれいにしたいそうです。
おそらくは、ほとんどの美容外科にかかわる先生方が同じような考えをお持ちなのだろうと思っています。
純粋にみれば素晴らしいお考えと思います。
ただ、私は個人的に若干違う考え方になってしまいました。というか、上記の考え方では壁にぶつかるのではないかと思っています。ただの妄想かもしれませんが。f^_^;
私は、自分なりに多くの患者様とお会いするうちに、いわゆる「きれいに」とか「美しく」という言葉の価値に疑問を持つようになりました。
「きれい」「美しい」という判断基準が、人によって違うのです。
皆様全員が、いわゆる一般的な美しさを求めているわけではないのです。あくまでも「自分の好み」が基準なんです。
つまりご相談にこられた方々全員が、万人が好む顔にしたいというわけではないのです。
確かに、「女優の○○○さんのようにしたい」というご希望の方もおられますが、最終的にはご自身の好みで最終決定されます。
当然と言えば当然で、その方がご自身で認識されている女優の印象から発展していくのですから、同じ女優の顔を基準にしても、Aさんからみれば「目」かもしれないし、Bさんから見れば「鼻」が基準になるのです。
漠然としたご希望の場合は、医師側からご提案させていただくこともありますが、治療を開始するとなれば、当然結果や経過を患者様が納得されないと、始まりません。
また、人間には欲がありますから、何所まで治すのか、限がありません。
ところで、「美」 は無限なのでしょうか。
現在、私は、『形成外科、美容外科は、個人個人の「心」と「身体」との折り合いをつける、橋渡しの役を行なう科ではないか』と考えているのです。
特に「心側」に「身体側」から歩み寄ることを主体にしています。
そう考えると、逆に心療科は「心側」から「身体側」に歩み寄ろうと試みる科といえるかもしれません。
患者様の何とかしたいという動機が純粋に「見た目をきれいにしたい、美しくなりたい」であれば、歩み寄りやすいのですが、必ずしもそうとはいえない場合もあるのです。
無意識のレベルで、何か問題か悩みを 抱えているという方の場合に、その問題を別の形、例えば顔のある部分の問題に置き換えているということもあるのです。
この場合は、いくら治療をしても、元の問題をクリヤーできない限り、「治癒」に到達することは非常に困難であると思います。
ですから、単純に「きれいに」「美しく」という考えだけでは成り立たない場合になるのです。
そういうわけで、現在の私は、カウンセリングの時には、「きれいに」とか「美しく」というフレーズをとりあえず頭から取り去った上で お話するようにしています。
カウンセリングの時には、その様な言葉は無意味です。患者様と向かい合って、お悩みやご相談をお聞きしていると、そういうレベルでは表現できない場合があるのです。
その方が、なにか本質に近づくような気がしてならないのです。
まあ、単なる私の妄想と言われれば、それだけのことですが。(^_^;)
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