横浜FCクリニック形成外科

横浜FCクリニック形成外科院長の日記

2010.01.13  脚下をみよ

今日は、本の紹介です。

身体が「ノー」と言うとき―抑圧された感情の代価

( ガボール・マテ著、伊藤 はるみ訳、 日本教文社、2005)

著者は、カナダの開業医です。

色々な症例を書いて、人間の心の動きが影響する病気について書いてあります。

巷には「前向き思考」を絶賛する本が氾濫しています。

私も仕事から多くの方とお会いしますが、一見ポジティブなような方でも、それは見せかけだけという場合も時々あるように感じます。

そう感じる場合というのは、その方が前を向く、プラス思考にされているのが、「今の苦しみ」からの逃避になっている場合です。

「自分がこういう状況であることは耐えられない」という気持ちを心に抱いてポジティブな行動をしようとしていると、一見がむしゃらに頑張っているようで、良いように見えますが、「今」に対する不満が出発点ですから、ゴールが実際のところ無いんですね。

まるで夏の高速道路で見ることのある「逃げ水」のようです。 いつまでも、ゴールは前方にしかないのです。

これでは、問題は解決しません。

そこで、むしろ自分のネガティブな部分を見つめること、直視することが、治癒の道になると著者は書いています。

タイトルは、人からいい人と思われたいばっかりに、「ノー」と言えない人たちがある種の身体的な病気になっているということを意味しています。

負のストレスは、自分で認めて断ち切るしかないという事です。

今の自分の性格がどうだということはどうでもいいんです。 それをまとめて認めて、そこからのスタートをすればいいということです。

症例の中には、難病になった後、自分の性格を見つめなおして改善に向かったという方もおられます。

病気になったって、それが絶対的な不幸かどうかはわからないと思います。勿論、病気にもよりますが。

軽い病気であれば、それを体調のバロメーターにすることができます。 私は疲れると扁桃腺が腫れやすいので、のどが痛くなったら早めに寝るように心がけています。

いわば「無病息災」ではなく「一病息災」です。

禅では「脚下をみよ」と言います。

今の自分の状況、おかれた立場などをちゃんと見つめろという意味です。

まあ、足元を見ておかないと、躓きますからね。

投稿者 横浜FCクリニック形成外科 (10:10) | PermaLink
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