診療方針(私の考え)
当院の診療方針(現在の私の考え)
このページでは、私の今の診療における現時点での考え方を書きたいと思います。
美容診療に限らず保険診療も含めて「医療」に対する私の考え方です。
現時点(07/12/17)の考えですので、今後も改良したり、加筆する箇所が出てくると思いますが、それらは随時行っていたいと思います。
この項目は非常に長くなりましたが、ご興味のある方はお読みください。
また、表現がくどくてわかりにくいかもしれません。私も随時訂正していきたいと思っています。
追記:半年以上たってから見直しますとなんとわかりにくい箇所が多かったことか、あらためて反省しました。表現がわかりにくいところを訂正しました。すこしでもご理解しやすくなれば幸いです。(2008/8/19)
☆院長が一人でカウンセリングから施術、術後経過のフォローまで行う
☆一人ひとりに合わせた診療を行うよう努めている
個人個人に合わせた診療には以下の内容があります。
①カウンセリングに時間をかける
施術前に医師と患者様の双方の確認が不足していますと、術後の脹れなどの術後経過に対する混乱や改善度に食い違いが生じる可能性があります。
この原因は、医師の説明不足とそれによって起こる患者様の認識不足にあると思います。
現在、当院では初診の患者様には30分の時間をとっています。単に時間をかければ良いというものではありませんが、できるだけ治療法方などについてご理解していただきたいという気持ちからのシステムです。もちろん、これでも十分な時間がとれていない場合もあります。しかし、2回目以降は個々の状況で適切な時間が取れるよう調節しています。
以上の理由から、当院ではインターネットからの診療予約ができるようには設定しておりません。
なぜなら、個人個人によってご相談の内容が違いますし、同じ方でも、その治療内容によってその都度の必要な時間が微妙に違ってくるからです。そのため単純に予約を埋めるということができません。
②十分に説明すると同時に患者様の話も聞く
施術を行うにあたり、必要なことは医師と患者様の信頼関係です。これを厚くするためには、カウンセリングに時間をかけることが必要と思います。
内容的には、ご希望の状態にできる手段として適応となる方法をご説明するのですが、多くの場合、治療方法は複数あります。
その手段の中で、その時点で一番適切な方法を選択していくことになります。
ですから、患者様と治療法の組み合わせはいろいろあることになります。
極端に言えば、治療方針というのは、100人の患者様がおられれば、100種類の方針が存在するということになります。
ただ、その中から選ぶといっても、一般の方には判断が難しいときもありますので、私がその方の症状、環境、ご予算などを参考にご提案することも行います。
患者様のご希望を私がイメージしやすい場合は良いのですが、ご希望が漠然としている場合は、さらに時間をかけて患者様のご希望を私が把握できるようにします。
当然ですが、私が理解できていないと、治療法を選択して説明するということができないからです。
時々、「もう先生にお任せします」と丸投げのごとく言われる方がおられますが、本当にそれで良いのでしょうか?
私は、人の体に針を刺したり、メスで切ったり、レーザーで皮膚を焼いたりする行為を行っているのです。その医療行為に対して畏敬の念を持ちながら行っています。単純にその施術行為をみれば、障害と変わりません。ですから、安易には行いたくありませんし、後述しますがわずかでもリスクの発生することを行うのですから、できるだけ慎重に行ないたいと考えています。施術を受けられる方に満足していただけるよう努めていきたいのです。
ですので、施術を受けられる方にも、その治療を行うことに対する意識をちゃんと持っていただきたいのです。
具体的な例がある場合、例えばタレントの写真の持ってこられて、「このような目にしたい」と言われることもよいと思います。できるか否かは、その時にご説明することになりますが、少なくとも私にとっては患者様のご希望をイメージしやすいというメリットがあります。
たとえ治療をご希望で来られても、そのご希望に対する治療自体が患者様にとっては困難である場合があります。この場合には、診療についての限界も知っていただく事もあります。これは当院における限界でもありますし、今の医療としての限界も該当します。
形成外科、美容外科、皮膚科など直接当院で行っている診療以外の診療やカウンセリングも、ご希望があれば私のできる範囲で行っています。
美容や形成外科に関係した内容に限らず、「こんなことはどこで相談すればよいのかわからない」という場合など、なにか他科の診療に関することでも私が医師として把握できる内容であれば、ご説明できる範囲で行います。
そのほか「他の病院でこんな治療をしているが、治療についてよくわからない」という場合に、本来であれば主治医の先生からお聞きになることが望ましいのですが、なかなかそのようなコンタクトが取れないという方も少なくありません。そういう場合に、一般論としてのご説明であれば私が行うこともできます。 あくまでも教科書的な、一般論としてでしかご説明できませんが、その後主治医の先生と話ができた時にご理解しやすくなる足掛りになればよいと考えています。
③時間的にも、内容的にも無理しない
皆様の方でも、お忙しい中でお時間を作るわけですから、なるべくなら通院の回数を減らしたいですし、早く済ませたいと思われるのも無理はないと思っています。
当然、少ない回数でできることは極力そのように行いたいと考えておりますが、ご希望の治療内容によっては、1回の施術では治療困難である場合や、方針は決まっているがよく考えてもらってから行う方が望ましい場合など、治療開始までにも時間をかけてご説明することも少なくありません。
もしも、熟慮してから開始すべき治療を一気に進めた場合は、内容に応じて経過上に問題が生じる可能性が高いと思います。
また、患者様の術後経過の理解・把握が十分でない場合は、術後に混乱を生じる可能性もあります。
このような理由から、一刻を争うような状況でない限り、原則として最初のカウンセリングの時に引き続き施術を行うものは、限定させていただいております。
もちろん、内容的に当日でも問題ない程度の治療であれば、この限りではありません。
当日行える施術は、ピアス、シミ・ホクロのレーザー治療、 ソフトレーザーなど「かさぶた」のできない治療、埋没法などです。当然、これらの治療内容であっても、場合によっては別の日にさせていただくこともあります。
カウンセリングの当日ではなく、施術を別の日にした方が望ましい治療の例としては、メスを用いた切開をする手術があります。
④治療は原則的に回数がかかる(時間がかかる)と考えていただききます
③に関連した内容です。最近の社会的な傾向ですが、「結果を早く求める」傾向が強くなっています。
医療についても 同じような考え方が存在しています。例えばあるクリニックで、ホクロのレーザー治療を相談した時に「1回来て治療すれば、もう来なくてもよい」という事を言われたということを数人の患者様から聞きました。
このようなスピード社会というか効率を重視した現代社会に逆行するようですが、私の考えはこの考え方とは違っています。
当院では、どの治療であっても1回で治療が終わることはなく、経過に応じて対応していくという方針でいます。
例えば腫瘍の摘出など、治療自体は1回で終わっていても、その術後経過を診せていただきたいと考えています。それは医師として治療を開始したことに対する責任と思います。
術後にその経過を確認して問題ないと判定できた時点で、初めて治療が一段落すると思います。また、その術後経過を診せていただくことは、私自身の経験の積み重ねになり、その後の治療に活かすことができます。
また、すべての治療において、「100%こうなる」 とか「合併症は100%ない」ということはないと考えます。どんなに簡単な処置であっても、宝くじに当たるくらいの確率まで問うならば、何らかの経過上の問題が起きる可能性は否定できません。もしもそのような場合に、お診せいただければ、早期に対応することができます。これも責任の範囲内のことだと認識しております。逆に言いますと、患者様側でも、何かあれば医師に相談するということを認識していただきたいと思っています。
もっとも、必ず来なければいけないというわけではありません。治療内容によってこの条件は少し緩和させています。例えばピアスのように、大きな問題が確率的にもほとんど無い場合は、患者様ご自身にとって気になることが生じたときにお越しいただくということにしています。
大切なことは、何か気になることがありましたら、いつでもお診せいただきたいという考えです。 この考えの方向に、「回数がかかる」という場合を含めているということになります。
⑤掲示板のご相談について
掲示板のご質問に対しても、すべて私がお答えしております。ゴースト・ライター?は存在しません。できるだけ早くにお答えするように心がけておりますが、休診日をはさんでいますとどうしても何日かはかかりますのでご了承ください。
それから、これは書くご質問の際にも書いていることですが、まだ患者様を拝見していない状況で回答を出しております関係上、どうしても一般的な内容になってしまいますので 、あくまでも一般的な目安とお考えください。
掲示板でご質問された方で、ご予約の際に「先生とはもう相談済みです」という内容を言われる方が時におられます。しかし、私のほうではまだその認識はしていないのです。やはりお診せいただいた時点での説明が最終的なコメントであるとご了解ください。
以上の理由から、実際にカウンセリングにお越しいただいた時に、掲示板の内容と異なる場合も否定はできません。幸い、大幅に説明内容を変更するようなケースはまだありませんが。
①同様の症状にみえても、治療法が違うことがある
「シミ」治療で例を挙げてみます。顔に複数のシミができた場合、 その部位・濃さの程度などの違いによって、レーザー治療を行ったり、マイクロクリスタルピーリングを行ったりいろいろな場合があります。
さらに、個人差もあります。もしも、同じようなシミができたということで お二人の患者様が来られたとしましても、シミの部位や症状などにより手段が異なることはよくあります。
ホクロでも、色のある場合はロングパルス・ダイオードレーザーを使用しますが、色がほとんどないホクロの場合はCO2レーザーの適応になります。
また、治療方針が、個人個人で異なってくる理由の一つに「環境の違い」があります。
例えばニキビ痕の治療でCO2レーザーを行えるかどうかという場合に、仕事がなくて術後の数日間は自宅にいることができるという方と、お仕事がある人(特に接客)で、お仕事が休めないという方では、当然選択肢の優先順位が違ってきます。
術後「かさぶた」ができる治療法の場合、接客のお仕事の方では部位にもよりますがすぐに治療が開始できないからです。
②治療経過には個人差がある
上記の1で書きました「シミ」治療の場合でいいますと、例えばある方がシミ治療をされて、きれいに取れたということで、お友達をご紹介してこられることがあります。
非常にありがたく思いますが、その場合にいつももご説明していることがあります。
それは、同じように見えても全然違うシミである場合もありますので、治療法や経過も違ってくるということです。たとえ同じレーザー治療を行ったとしても、体質などの違いから経過が違う場合があります。
ちなみに、私は術後の経過に大きな影響を与えるものとして、3つ挙げられると思います。
Ⅰ治療方針
Ⅱ術者の技量
Ⅱの「技量」は、とりあえず現在の私の技量で治療を行うことになりますが、これは私自身が日々研鑽していくしかないと思います。激変するようなものではないからです。
Ⅲの「体質」も、これを前提に治療を進めていくことになるので、術後の障害にはなりにくいのですが、見逃していると問題なので事前に確認していくことになります。
この3つの中でⅠの「治療方針」が一番調節可能な内容です。これをしっかりと煮詰めていくにはどうしてもある程度の時間が必要です。
③医師にも患者様にも日々のコンディションに微妙な違いがあること
正直なところ、医師にとっては、口に出すことがタブーであるかのような内容ですが、書いておきます。
あくまでも「医師は何時いかなる時でも同じ治療において同等の高レベルの結果を出さなければならない」ということが、医師の根本的な前提であると認識した上での話です。
しかし、医師も人間ですので、コンディションに日々若干の違いが生じることは否定できません。これが治療結果に若干でも影響する可能性はあると思います。
もちろん私もプロとしての自覚は持っておりますので、これを言い訳にはしたくありませんし、極力影響しないようにコントロールしております。しかし、術後の経過などに微妙に影響する可能性は、25年(2007年現在)臨床医を行っている経験からも、100%無視することも難しいと考えています。私もコンディションを整えることを日々努めております。
また、医療行為は医師だけで行うものではなく、患者様が存在することではじめて成立します。そのため患者様側のコンディションも影響します。このような相対的な関係を完璧に把握することは難しいと思いますが、術前にできるだけ確認したり、施術中の細かい観察など、可及的に対応させていただいています。
また、案外軽視できないことがあります。それは治療当日の患者様の精神状態です。
もしも術前までは治療に対して積極的であっても、当日に「なんとなく気が乗らない」という精神状態になられる方も時のおられます。
やはり、心の底では、まだ治療に対して不安が残っていることが原因として考えられます。その場合は、あえて治療を強行するよりも、いったん中止にすることのほうが良いと考えています。
美容形成的な治療は原則的に一刻を争うようなことはないので、あわてる必要がないのがほとんどです。ですので、ご自身に納得が いってから行う事が大切と思います。また、これは術後経過にも影響する内容でもあります。
④手術を行う場合の通院について
手術の場合は、抜糸がありますし、必要に応じて消毒やガーゼ交換があります。そのため術後の通院はどうしても必要になります。また、抜糸後も手術経過を診せていただきたいので、術後も診察が必ずあると思ってください。また、術後経過を診せていただくことが、治療に関するリスクの一部を回避できると同時に私自身の研鑽につながります。
原則として抜糸が終われば終了ということはありません。
また、他県など遠方にお住まいの方で当院での手術をご希望される場合ですが、現在はご相談の上で手術を行うかどうかを決めさせていただきます。
術後の変化がいろいろ考えられるような手術の場合は、遠方の方ですとどうしても術後に診せていただくことが難しくなりますので、迅速な対応が取りにくくなります。ご了承ください。
ご来院されました皆様のお話を聞きしますと「前々から広告は見ていたんだけれど、どうも来にくくて」とか「来ようと決断するのに何ヶ月もかかった」などのコメントが非常に多いという印象があります。何故、そのように思うのでしょうか。
自由診療なので、一般に値段が高い
トラブルをよく耳にする
などが大きな理由としてあるからだと思います。
これらにはいろいろなケースがあるので一概には言えませんが、原因としていくつかは挙げられると思います。
①値段が高い場合
これは医師個人の価値観が影響しています。また美容クリニックの運営に関する諸事情が関係してきます。
まず、主要な駅前など交通の便が良い場所にある場合、どうしても家賃が高くなります。また、諸物価高騰や人件費の問題もありますし、何よりも医療器械が 高いのです。そのため、一定以上の収入を上げる必要性が出てきます。
②医師側にとっても、患者様側にとっても安易に施術が行われている
医師側で言えば、具体的な要望を把握せず、かつ不十分な説明しか行わずに施術をする場合です。
施術後の経過を患者様が把握できていないために、不安になります。また、患者様も、あまり説明を把握せずに受けられるという場合もあるようです。この問題には、やはり術前の説明を行うことが重要です。
詳細は下記の「ヒューマン・エラーについて」を御覧ください。
③その治療法の適応でない場合
患者様のご要望に対する治療法として適応とはいえない場合や、一般的には適応となるが、その患者様にとっては難易度が高くなってしまうであろう場合などがあります。その治療を行ってしまった場合は、術後に問題が生じる可能性が高いと思います。これも最初のカウンセリングで、確認することが重要になります。
詳細は下記の「ヒューマン・エラーについて」を御覧ください。
その他のことーその2-
私の美容医療を扱っているクリニック(他院も含めて)についての認識を 書きます
①治療法の優劣について
現在の美容医療は数年前と比べても格段の進歩をしており、 治療がしやすくなっています。また、手段も増加しました。例えば、肌質を改善する方法として、フォトフェイシャルなどの光治療、高周波を利用した医療機、レーザーを使用した器械など多くの医療器機が市場に出回っています。
そのため、クリニックのホームページを観ましても、いろいろな治療が書いてあるので、一般の皆様にとっては「一体どれが自分にとって良いのかがわからない」というのが正直なところだと思います。
これらの治療方法の優劣についてですが、私は原則的に基本的に優劣はつけることができないと考えています。適応さえ合えば、どの方法でもある程度の効果が出ると思います。言い換えれば、どの方法にも限界があるということになります。
明らかな優劣はないという考えですので、一般に言われている優劣とは患者様とクリニックのトータルな意味での「相性」ではないでしょうか。
ただし、適応でない治療を行われた場合は、上記の条件を満たしておりませんので、別の話です。
②同じ医療機器での治療成績について
上記①の内容と一見逆の意見になるようですが、例えば同一のレーザー治療器機を使用するとしても、使い方で微妙な違いがあると思っています。「大幅な」ではなく、「微妙な」です。
世間一般の常識では、「レーザー治療器機は、オートフォーカスのカメラと同じでシャッターを押せば誰でも簡単に写真が取れる」と認識されていますが、私は違ってくると思っています。その医療機器を使用しての適応の選択、パワー設定など微妙な使用方法にどうしても医師による違いが生じてきます。ということは臨床結果も違ってくるということになります。
極端にいえば同じ一台のレーザー治療器機を使って複数の医師が治療を行った場合も、わずかながらでも臨床結果に違いが生じてくると思います。
よく、ある特定の治療法に対してのコメントで、施術を受けられた方が「○○という治療法は効果がない」というコメントをインターネットの掲示板等で書かれるということを目にしますが、逆に「○○という治療法は私には効果があった」というコメントも出てきたりします。
このように相反するコメントが出てくる理由について考えました。
Ⅰ 施術を受けた患者様の症状や程度が違っているので、同じ条件で行われたのではない場合 : 条件が違えば当然比較することはできません
Ⅱ 同じクリニックで受けられたのではなく別のクリニックで受けられている場合 : 前述しましたように、臨床結果が違うことはあると思います
Ⅲ 施術を受けた時間的経過が異なるためコメントが食い違っている場合 : 同じ医師が施術をしたとしても、その医師自身が使用法や適応をすこしずつ修正している場合は、臨床結果が違ってくると思います。その場合は、改良という意味で後でされた方のほうが結果がよくなることが多いでしょう
以上のように、いろいろな要素が絡んでいると思いますので、なかなか一概には評価できないのではないかと思います。
逆に言えば、同一のクリニックで、同一の医師が、同じ時期に、ほぼ同じ症状の治療に対して行った場合はある程度信頼できると思いますが、それでも厳密には評価することは困難だと考えます。
③同じ治療法でもクリニックによって違う
例えば、脂肪注入などは典型的な例です。名称は同じ「脂肪注入」ですが クリニックによって施術方法が微妙に違ってきます。
脂肪注入でいいますと、脂肪採取の方法もいろいろあります。採取した脂肪を洗浄するクリニックもあれば、洗浄しないクリニック(当院はこちらに入ります)もあります。これは、その術式を学んだ場所が違うこともありますし、その先生が経験的にいろいろと改善させていったことも含まれています。それぞれの先生が、ご自身の経験から改良されてきた技術は、それぞれに意味があるのです。そのため、この細かい手技の違いについても是非や優劣をつけることは困難だと思います。
例えで言いますと、日本全国においしいラーメン屋さんはいっぱいありますが、例えば「札幌ラーメン」と「博多ラーメン」の優劣をつけることは、たとえ同じ「ラーメン」という範疇ではあっても、単純な評価としてはできないのと同じです。
④当院の価格設定について
関東圏には非常に多くの美容診療を扱うクリニックが存在します。その多くのクリニックの中から、皆さんが当クリニックを選んでいただいた理由をお聞きしますと 「費用が安かったから」という印象を持たれて起こしになる方が多いのです。
その理由について書きたいと思います。
でもその前に、美容診療における一般的な値段相場についてですが、私個人は少し高いと思っています。これは個人的な見解ですので、逆に他院で「自分の手術は高額であるだけの価値がある」とブラックジャックと同等の自負心がお有りになる先生がおられても、別に構わないとも思います。
値段については、ご理解しやすいよう別の業界の例でご説明します。例えば、世の中には数多くの「ラーメン専門店」があります。一言で「ラーメン」といっても、有名ホテルなどの一流中華料理レストランで注文すれば1500円くらいの値段がするメニューがあるでしょうし、街中の小さいお店では、1杯400円くらいのものまであります。
どのお店が良いという区別は値段だけでは付けられないと思います。結局、値段や味付け、雰囲気などトータルな評価で、お客様のニーズに合わせて店を選んでいただいているのだと思います。その意味では、当院の値段がたまたま(?)安いほうであったのだと思っていただけましたら有難いです。
ただ、安くしているといっても、内容が充実していないという意味ではありませんので、併せて書かせていただきます。(安くてもおいしいラーメン屋さんがあるのと同じです f^_^; )安いといっても、今ではそんなに安くない治療もあります。
5年前くらいでしたら脱毛レーザーも当院では安いほうだったと思いますが、現在はエステも超破格値で脱毛を行っておりますので、安いほうだとはいえないでしょう。
しかし、当院の場合は私がカウンセリングから施術まですべて一人でやっているため、どうしてもこれ以上は値段を下げられないという、やむを得ないレベルのものもあります。その点に関しましてはご了承ください。
⑤各クリニックによる違いと医師の違い
クリニックによっていろいろな個性や特徴があります。 それぞれの先生が、ご自身の経験を活かされ、かつテーマを決められて開業されているのです。ホームページからでもそれがわかりますので、それに応じてご相談されるクリニックを選べばよいと思うのですが、迷う場合も当然あると思います。
その場合の目安ですが、とりあえずメールで質問をして、そのクリニックの回答を見たり、実際にカウンセリングに行かれて、治療法についての説明や全体的な相性を感じていただくことなどが挙げられます。
ここで、日ごろカウンセリングのときに皆様がよく言われるコメント、「医師はみな同じくらいの技量があると思っていた」、「医者ならみんな同じと思っていた」 について私の考えを言います。
これははっきり言いまして、医師はそれぞれ性格も技量も全然違います。医者は皆さんの周囲におられる方々がそれぞれ個性を持っておられるのと同じくらい、性格も修練によって会得した技量も違います。
次に、その技量は判るものでしょうか。客観的に数字で表すことができる類のものでしょうか。
自分の技量を基にして考えてみても、正直これを判定するということは非常に難しいと思います。強いて言えば、得意な分野があれば参考にはなると思います。しかし、絶対的な数字で表すことは不可能でしょう。患者様との相性もありますし、コンディションも微妙な影響を与えるかも知れません。
という理由から、単純な比較はできないと思っています。
結局は実際にカウンセリングを受けてみて、そのクリニックを判断するしかないでしょう。
ただし、例外として初めにカウンセリング をする医師と施術を行う医師、術後経過を診る医師が別人であるという方針で運営しているクリニックは、カウンセリングのみで全体を判断することは難しいと思います。
⑥101回目の手術
昔テレビで見たドラマのタイトルのようです。上記の⑤に関連した事ですが、クリニック間の比較をするためでしょうが、「先生は~の手術を何例くらいされたことがあるのでしょうか?」というご質問を受けることもあります。
これは、その件数を熟練度を判定するための参考にするためだと思います。
手術件数はある程度の参考にはなりますが、私個人は実はこの件数も、術者の技量を判定するための資料としては、あまり正確な判定は難しいのではないかと考えています。信頼度は皆様が考えておられるよりは低いと思っています。
確かに、施術の件数が多ければ、「慣れ」はあると思います。しかし、この「慣れ」は術者としてはあんまり過信しない方が良いと思っています。勿論手術の場合には、その範囲の解剖などの知識はあって当然ですが、皮膚の厚みや筋肉の量など、個人差がありますから、その都度よく観ながら手術を行う事が重要です。ですから「経験」として活かすことは大切です。しかし、すべてを同じように「慣れ」で行うと、これは上達しないと思います。
例を挙げますと、二重まぶたを作る埋没法の場合、手技上は同じ埋没法であっても、施術を受けられる患者様のまぶた側の状態が人によって違います。ご希望のラインや二重の幅も違います。さらに、皮膚の厚みや皮下組織の量など、いろいろな構成にも個人差がありますし、アイプチのやりすぎで皮膚が炎症を起こしているという場合なども含めて、手術に微妙な違いが出ることは十分ありえます。
そのため、その都度よく観察しながら、その手術内容を合わせていかなければなりません。
このように、個々の手術でも、一応の手術法としての名称は同じであっても、内容はほとんど同じではないのです。そのことが単に症例数という数字からではうかがい知れないのです。
その治療法について習熟しているかどうかということについては、症例件数でもある程度はつかめるものだと思いますが、あくまでも大まかな判断としてだと思いますから、細かい比較はできません。つまり単純に、「100例やったという医師」より「200例やったという医師」の方が必ず上手であるとはいえないと思うのです。
では、何が影響するのかというと、私は「医師個人の考え方、集中力と観察力、人生哲学、器用さ」などが影響するものだと思っています。その患者様のご希望に添えるように遂行しようとする方針で、手術を集中して観察し、どんどんうまくなってやるという求道的精神で行い、その時に器用さをうまく活かすことができればそれだけ有利だという事です。
その都度、1例目のごとく慎重に進めていくという謙虚さが大切ではないかと思っています。
私からみて手術がうまいと思う先生は何人もいますが、かならずしも年配の先生ではありません。若くても「できる」人はいます。ということは、症例数に関係しないということだと思っています。
長々と書きましたが、「センス」や「才能」といえば一言ですむことだったのでしょうか。 (^_^;)
ネット上でも、美容治療についての皆様のいろいろなコメントを読ませていただいていますと、「失敗」という言葉が出てくることがあります。
多くの場合、「~で失敗した」とか「失敗されることが怖い」などの表現で使用されています。私はこの題名に意識して「失敗」ということばは使いませんでしたが、「失敗」について私の考えを書かせていただきます。
一般的に医師は「失敗」という言葉が嫌いです。当たり前かもしれませんが、少なくとも敏感であると思います。正直なところ、私も例外ではありません。
私は個人的に、一般の方が言われる「失敗」の中には、本当は失敗とは言えない場合も含まれて「失敗」と呼ばれていると思っています。
例えば、事前の説明不足があります。
その施術の術後経過としてある症状が出現することは、想定内の事であるにもかかわらず、患者様御本人(以下、敬称略)が知らされていなかったもしくは理解していなかったという理由から、認識していなかったために、心理的に不安になってしまう状況になってしまったという場合なとがその例になります。これも、医師が事前に説明していなければ、そういう状況になってしまう可能性がありますが、事前に説明することで防止することもできるわけです。
ここでは、前述の例も含めて「いわゆる失敗」と呼ばれる場合について、術前と施術、施術後に分けて考えていきたいと思います。
人の失敗を「ヒューマン・エラー」といいます。訳せば「人的エラー」ということになります。
ヒューマン・エラーとは、「人間の決定または行動のうち、本人の意図に反して人、動物、物、システム、環境の機能、安全、効率、快適性、利益、意図、感情を傷つけたり壊したり妨げたものであり、かつ、本人に通常はその能力があるにもかかわらず、システム・組織・社会などが期待するパフォーマンス水準を満たさなかったもの」(「失敗のメカニズム」 芳賀 繁著 角川ソフィア文庫)と書いてあります。
この定義を美容治療に該当させてもう少し簡略化してみますと、「美容における広義の失敗とは、患者の治療に対する認識および了解後に担当医師が行った施術において、患者または医師の意図に反した結果をもたらしたもの」ということになると思います。広義と表現したのは、次のような組み合わせがあるからです。
この「患者または医師の意図に反した結果」がもたらされた場合に、以下の組み合わせが考えられます。
Ⅰ 医師も患者も不満足であると認識した場合
Ⅱ 医師は不満足であるが、患者は満足している場合
Ⅲ 医師は満足しているが、患者が不満足な場合
Ⅱも私は経験ありますが、非常に少ないです。まず問題になるのはⅠとⅢの場合になります。どちらか一方が満足しないという場合も大きな問題をもたらします。
つまり、このⅠとⅢの状況を防ぐことが、重要なのです。
この「広義の失敗」についての諸要素を項目別にしてみます。必ずしも「ヒューマン・エラー」につながるわけではありませんが、少なくとも影響する可能性の大きい要素です。
①患者のご希望を医師が把握できていない場合
Ⅰ医師の理解が不十分な場合には選択する治療法自体が適切でない可能性が出てきます
例 たとえばフェースリフトのような手術が必要な場合に脂肪注入を行うなど
Ⅱ治療方針は適正だが、その程度が把握できていない場合
例 二重を作る目的で埋没法を行うことは適正だったが、二重の幅が患者の希望ではなかった場合など
②患者の理解が不足している場合
このケースは、二通りの原因があります。
Ⅰ医師の説明が不足している場合
Ⅱ患者の理解が得られていない場合
その治療法自体の説明が足りないと、施術後の経過において患者様にとっての想定外の状態になってしまうため、あたかも「失敗」したように認識されてしまう場合があります。
手術以外でもあります。例えばホクロのレーザー治療の場合、私は一般的に回数がかかる場合がほとんどであると考えていますが、そのように治療に回数が必要であることを説明していない場合は、たとえ「予想通りに」ホクロが残ったとしても、患者側にとってはレーザー治療の失敗に判断されてしまう可能性があります。
このような誤解は、事前のカウンセリングで治療経過を説明することで回避することができます。
この①と②の場合は、理解不足のままで施術の段階まで進んでしまうと、重大な問題を発生させる原因となりうると思います。
①施術前の麻酔での問題
麻酔の適量を間違える場合: これは、局所麻酔であればその方の体重から計算して得られる極量を超えないようにすることと、もしも過去に麻酔をしたときに何か問題があった場合はそれを考慮して使用するなどの対応があります。
②選択した治療法での想定外の経過
その手術を行う経過で想定外のミスを起こしてしまうこと。例えば目的外で神経や血管を損傷させてしまうなど。
この問題は、ほぼ医師側の技量がそのまま反映されますので、医師が日々研鑽して技量の向上を目指すことが大切です。
③適応でない治療を行う
これはカウンセリングの段階で、問題を残したまま施術に入った場合に発生します。
この予防は十分にカウンセリング を行い、医師と患者間の認識を合わせることしかないと思います。
3 術後経過での問題
患者の理解が不足している場合: これは、医師の説明が不足している場合と患者が理解できない場合があります。この両方とも、以下の場合があります
①想定内の経過に対する問題
いわゆる一般的に見られる術後の脹れや内出血などの出現や脹れが強くなる経過です。施術を受けられた方から「ここまで腫れるとは思わなかった」という言葉が出る場合は、これに該当します。
これは経過を待つしかありませんが、事前の説明で十分に認識していくことである程度覚悟しておくことができます。
②想定外の経過に対する問題
例えば、手術を行った部位を誤って打撲した場合などのハプニングを含めて、想定内の経過を逸脱する場合です。これは、その都度に早期対応していくことが重要です。
そのため、施術を受けられた方にも医師に相談してもらうという協力が必要になります。
①事前のカウンセリング
Ⅰ理解・把握:医師は患者様のご希望・ゴールをできるだけ具体的に把握する
Ⅱ説明:医師は、そのご希望に応じて治療法を選択し、その治療法について十分な説明をする。もしも治療可能な手段が複数ある場合は、すべてにおいて可能な範囲で説明する。
Ⅲ理解・選択: 医師は患者に治療法の選択理由、治療法のアウトライン、利点と欠点、副作用などの説明を行う。患者はその内容を把握し、複数の治療がある場合は医師の提案を参考にしながら、治療法を選択する。
私は、複数の治療法がある場合は、こちらからの提案はできますが、どの方法を選択するかは、施術を受けられる方に最終的にご判断していただく方針にしています。当然、ご家族の方とご相談していただいて構いませんし、私も提案させていただきます。
何故このような方針を取っているかといいますと、いろいろな治療法の利点や問題点などの特徴を考えてもらい、ご自身のお仕事やご家庭のご都合などから判断してもらわないと、部外者である私の判断では理解できないプライバシーの問題(私には伝えていない事情)なども影響してくるからです。
Ⅳお互いの信頼: 施術を行う側も施術を受ける側もお互いを信頼できる関係を築く。
②施術
Ⅰ事前に確認し、決めた内容を行う
施術を行う当日も、施術前に予定した内容を再確認すると共に、ご希望内容も再確認します。例えば二重の場合には、カウンセリングの時に希望された幅と異なる希望に変わってしまうことがあるからです。
また、施術中に何らかの問題が発生する可能性があります。予定した手術が実際には困難な状況であったとわかった場合で、予定した内容が無条件にできない場合は、いったん中止するか、十分な説明を行います。
この場合は、私は内容にもよりますが原則的にいったん中止することが最善と思います。
なぜなら、もしも手術台に横になった状況では、患者側も冷静な判断ができないことが多いからです。
遡って言えば、当然ながらこのような状況はできるだけ起こらないようにするが医師としては重要です。しかし、「将来的に絶対にこのような問題は起こさない」という決意は持てますが、たとえ極わずかであってもこのような状況が起きる可能性は否定できません。
その事前対策ですが、事前のカウンセリングの段階でできるだけ熟考することで、このようにならないように努めていくことになります。
Ⅱその日の患者の体調なども確認する
当然ですが、熱があったり調子が悪い時には、状況に応じて予定を中止することも考えます。
施術を受けられる方にとっても、その日に合わせていろいろな段取りをされて来られているので、多少は無理をしてでも治療を行いたいという場合もあるでしょう。しかし、このような「無理を押して」行った場合に問題が発生する可能性は高くなります。
③術後経過
Ⅰ定期的に診察を行う
消毒や抜糸など必要な処置を行います。当院では私一人なので私が行いますが、複数の医師がいる施設でも、原則は施術を行った医師が行うべきことと考えています。手術法は同じでも、一人ひとりの患者に行う内容は微妙に違うからです。細かい観察をして、何か変化があれば先手先手で対応していきます。この対応がスムースに行えるようにするには、やはり施術した医師が一番適任であると思います。
Ⅱ何かあれば、相談してもらう
術後経過で、何か気になることがありましたら、ご相談していただくことが大切です。これは患者様にお願いすることになりますが、言い換えれば、医師側も相談しやすいようにすることを心がけないといけませんし、そうなるように心がけていきます。
④その他
治療法についても、年々進歩していますので、医師も研鑽を積んでいくことが重要です。治療内容を向上させるためにも、日ごろからアンテナを張っておくということになります。
以上、「ヒューマン・エラー」の項目として長々と書きましたが、ご参考になりましたら幸いです。
私は、自分の考えを相手に伝えるということについて言えば、100%を完全に伝えることは非常に困難であると考えています。もっとはっきりといいますと、完全に伝えることは不可能であると思っています。これが基本的な土台になっています。ですから、できるだけ100%に近い内容をお伝えするためには、時間をかけて内容を確認するしかないのです。
できるだけお伝えする内容を統一するために、埋没法などいろいろな治療法をパソコンを使用して ご説明することが多いですが、それは以上のような理由からです。説明が抜ける事をできるだけ避ける目的があります。
これからも加筆及び修正していくと思いますので、その時にはトップページでお知らせいたします。
最後に
いろいろ書きましたが、どんなに注意深く診療を行っても、小さい誤解や勘違いなどは生じることがあると思いますし、そういう場合でも誠意を持って対応したいと考えています。
以上に書きました内容は、当然ながら医学部卒業後すぐに得たものではありません。私の医師としての経験25年(2007年現在) から得たものです。特に開業してから学んだことは非常に大きかったと思います。
勿論、私自身もまだまだ未熟ですので、これからも学ばねばなりませんし、医療も最近の進歩は加速しています。私自身、改善していかなければならないことはたくさんあると思います。これからも、気付いたことを一つずつ改善させていきたいと思います。
こんな調子なので、生涯学ぼうと試みても、学びつくせるものではないでしょうね。
私は子供が好きなテレビアニメ「ワンピース」を一緒に観ていますが、結構学べることがあります。このアニメの主題歌で以前に「しょうちのすけ」という歌がありました。作詞は秋元康さんです。この歌の最後の詩の部分ですが、
「遠い海ほど きっといい天国、やるだけやれば どんな水平線も ちょっと近づく」
到達することだけに意味があるのではなく、その過程に意味を持ちたいと思います。 限はないと思いますが、少しずつでも進んでいきたいのです。
ダラダラと長いだけのつたない文章にもかかわらず、最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。 m(_ _)m
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