美容医療の印象
美容クリニックについて
いままで、診療方針(私の考え)に書いていましたことを独立させました。
一つのページでは、やっぱり長すぎ!と思いましたので。
ここでは、自由診療である美容診療についての一般的印象について書きたいと思います。
自由診療である美容診療についての一般的印象
ご来院されました皆様のお話を聞きしますと「前々から広告は見ていたんだけれど、どうも来にくくて」とか「来ようと決断するのに何ヶ月もかかった」などのコメントが非常に多いという印象があります。何故、そのように思うのでしょうか。
多くの方が、
自由診療なので、一般に値段が高い
トラブルをよく耳にする
など、不透明性から、胡散臭さや不安を感じるからだと思います。
これらにはいろいろなケースがあるので一概には言えませんが、原因としていくつかは挙げられると思います。
①値段が高い場合
これは医師個人の価値観が影響しています。また各美容クリニックの運営に関する諸事情が関係してきます。
まず、主要な駅前など交通の便が良い場所にある場合、どうしても家賃が高くなります。また、諸物価高騰や人件費の問題もありますし、何よりも医療器械が 高いのです。そのような諸経費が大きいことも、一定以上の収入を上げなければならない理由になります。
②医師側にとっても、患者様側にとっても安易に施術が行われている
医師側の立場で言えば、患者様の具体的な要望を把握せず、かつ不十分な説明しか行わずに施術をする場合です。
施術後の経過を患者様が把握できていないために、不安になります。また、患者様も、あまり説明を把握せずに受けられるという場合もあるようです。この問題には、やはり術前の説明を行うことが重要です。
詳細は「治療経過について」を御覧ください。
③その治療法の適応でない場合
患者様のご要望に対する治療法として適応とはいえない場合や、一般的には適応となるが、その患者様にとっては難易度が高くなってしまうであろう場合などがあります。その治療を行ってしまった場合は、術後に問題が生じる可能性が高いと思います。これも最初のカウンセリングで、確認することが重要になります。
詳細は「治療経過について」を御覧ください。
その他のこと
皆様が美容医療について考える時によく聞かれることについて、私の考えを書きます
①治療法の優劣について
現在の美容医療は数年前と比べても格段の進歩をしており、 治療がしやすくなっています。また、手段も増加しました。例えば、肌質を改善する方法として、フォトフェイシャルなどの光治療、高周波を利用した医療機、レーザーを使用した器械など多くの医療器機が市場に出回っています。
そのため、クリニックのホームページを観ましても、いろいろな治療が書いてあるので、一般の皆様にとっては「一体どれが自分にとって良いのかがわからない」というのが正直なところだと思います。
これらの治療方法の優劣についてですが、私は原則的に基本的に優劣はつけることができないと考えています。適応さえ合えば、どの方法でもある程度の効果が出ると思います。言い換えれば、どの方法にも限界があるということになります。
同じ器械でも、使用法によっての違いが生じることはありますが、私自身の中での比較はできますが、他院との比較はできないため、これを知ることはできません。
明らかな優劣はないとは言いませんが、図り知ることが出来ないという考えですので、一般に言われている優劣とは患者様とクリニックのトータルな意味での「相性」ではないでしょうか。
ただし、適応でない治療を行われた場合は、上記の条件を満たしておりませんので、別の話です。
②同じ医療機器での治療成績について
上記①の内容でもちょっと触れましたが、例えば同一のレーザー治療器機を使用するとしても、使い方で微妙な違いがあると思っています。「大幅な」ではなく、「微妙な」です。
世間一般の常識では、「レーザー治療器機は、オートフォーカスのカメラと同じでシャッターを押せば誰でも簡単に写真が取れる」と認識されていますが、私は違ってくると思っています。その医療機器を使用しての適応の選択、パワー設定など微妙な使用方法にどうしても医師による違いが生じてきます。ということは臨床結果も違ってくるということになります。
極端にいえば同じ一台のレーザー治療器機を使って複数の医師が治療を行った場合も、わずかながらでも臨床結果に違いが生じてくると思います。
よく、ある特定の治療法に対してのコメントで、施術を受けられた方が「○○という治療法は効果がない」というコメントをインターネットの掲示板等で書かれるということを目にしますが、逆に「○○という治療法は私には効果があった」というコメントも出てきたりします。
このように相反するコメントが出てくる理由について考えました。
Ⅰ 施術を受けた患者様の症状や程度が違っているので、照射パワーなどが同じ条件で行われていない場合: 条件が違えば当然比較することはできませんから、経過及び結果を比較することはできません。
Ⅱ同じクリニックで受けられたのではない、別のクリニックで受けられている場合 : 前述しましたように、臨床結果が違うことは当然ありえると思います
Ⅲ同一の施術者でも、照射等に改良を加えている場合: 同じ医師が施術をしたとしても、その医師自身が使用法や適応をすこしずつ修正している場合は、臨床結果が違ってくると思います。その場合は、改良という意味で後でされた方のほうが結果がよくなることが多いでしょう
以上のように、いろいろな要素が絡んでいると思いますので、なかなか一概には評価できないのではないかと思います。
逆に言えば、同一のクリニックで、同一の医師が、同じ時期に、ほぼ同じ症状の治療に対して行った場合はある程度信頼できると思いますが、それでも厳密には評価することは困難だと考えます。
③同じ治療法でもクリニックによって違う
例えば、脂肪注入などは典型的な例です。名称は同じ「脂肪注入」ですが クリニックによって施術方法が微妙に違ってきます。
脂肪注入でいいますと、脂肪採取の方法もいろいろあります。採取した脂肪を洗浄するクリニックもあれば、洗浄しないクリニック(当院はこちらに入ります)もあります。これは、その術式を学んだ場所が違うこともありますし、その先生が経験的にいろいろと改善させていったことも含まれています。
それぞれの先生が、ご自身の経験から改良されてきた技術は、それぞれに意味があるのです。そのため、この細かい手技の違いについても是非や優劣をつけることは困難なことが多いと思います。
例えで言いますと、日本全国においしいラーメン屋さんはいっぱいありますが、例えば「札幌ラーメン」と「博多ラーメン」の優劣をつけることは、たとえ同じ「ラーメン」という範疇ではあっても、単純な評価としてはできないのと同じです。 そこまで来ると、もう「評価」は一般的ではなくなり、「その方の好み」に変わってきます。
④当院の価格設定について
関東圏には非常に多くの美容診療を扱うクリニックが存在します。その多くのクリニックの中から、皆さんが当クリニックを選んでいただいた理由をお聞きしますと 「費用が安かったから」という印象を持たれてお越しになる方が多いのです。
その理由について書きたいと思います。
でもその前に、美容診療における一般的な値段相場についてですが、私個人は少し高いと思っています。これは個人的な見解ですので、逆に他院で「自分の手術は高額であるだけの価値がある」とブラックジャックと同等の自負心がお有りになる先生がおられても、別に構わないとも思っています。
値段については、ご理解しやすいよう別の業界の例でご説明します。例えば、世の中には数多くの「ラーメン専門店」があります。一言で「ラーメン」といっても、有名ホテルなどの一流中華料理レストランで注文すれば1500円くらいの値段がするメニューがあるでしょうし、街中の小さいお店では、1杯400円くらいのものまであります。
どのお店が良いという区別は値段だけでは付けられないと思います。結局、値段や味付け、雰囲気などトータルな評価で、お客様のお好みに合わせて店を選んでいただいているのだと思います。その意味では、当院の値段がたまたま(?)安いほうであったのだと思っていただけましたら有難いです。
ただ、安くしているといっても、内容が充実していないという意味ではありませんので、そのことも併せて書かせていただきます。(安くてもおいしいラーメン屋さんがあるのと同じです f^_^; )安いといっても、今ではそんなに安くない治療もあります。
5年前くらいでしたら脱毛レーザーも当院では安いほうだったと思いますが、現在はエステも超破格値で脱毛を行っておりますので、安いほうだとはいえないでしょう。
しかし、当院の場合は私がカウンセリングから施術まですべて一人でやっているため、どうしてもこれ以上は値段を下げられないという、やむを得ないレベルのものもあります。その点に関しましてはご了承ください。
⑤各クリニックによる違いと医師の違い
クリニックによっていろいろな個性や特徴があります。 それぞれの先生が、ご自身の経験を活かされ、かつテーマを決められて開業されているのです。ホームページからでもそれがわかりますので、それに応じてご相談されるクリニックを選べばよいと思うのですが、迷う場合も当然あると思います。
その場合の目安ですが、とりあえずメールで質問をして、そのクリニックの回答を見たり、実際にカウンセリングに行かれて、治療法についての説明や全体的な相性を感じていただくことなどが挙げられます。
ここで、日ごろカウンセリングのときに皆様がよく言われるコメント、「医師はみな同じくらいの技量があると思っていた」、「医者ならみんな同じと思っていた」 について私の考えを言います。
これははっきり言いまして、医師はそれぞれ性格も技量も全然違います。医者は皆さんの周囲におられる方々がそれぞれ個性を持っておられるのと同じくらい、性格も修練によって会得した技量も違います。
次に、その技量は判るものでしょうか。客観的に数字で表すことができる類のものでしょうか。
自分の技量を基にして考えてみても、正直これを判定するということは非常に難しいと思います。強いて言えば、得意な分野があれば参考にはなると思います。しかし、絶対的な数字で表すことは不可能でしょう。患者様との相性もありますし、コンディションも微妙な影響を与えるかも知れません。
という理由から、単純な比較はできないと思っています。
結局は実際にカウンセリングを受けてみて、そのクリニックを判断するしかないでしょう。
ただし、例外として初めにカウンセリング をする医師と施術を行う医師、術後経過を診る医師が別人であるという方針で運営しているクリニックは、カウンセリングのみで全体を判断することは難しいと思います。
⑥101回目の手術
昔テレビで見たドラマのタイトルのようです。上記の⑤に関連した事ですが、クリニック間の比較をするためでしょうが、「先生は~の手術を何例くらいされたことがあるのでしょうか?」というご質問を受けることもあります。
これは、その件数を熟練度を判定するための参考にするためだと思います。
手術件数はある程度の参考にはなりますが、私個人は実はこの件数も、術者の技量を判定するための資料としては、あまり正確な判定は難しいのではないかと考えています。信頼度は皆様が考えておられるよりは低いと思っています。
確かに、施術の件数が多ければ、「慣れ」はあると思います。しかし、この「慣れ」は術者としてはあんまり過信しない方が良いと思っています。勿論手術の場合には、その範囲の解剖などの知識はあって当然ですが、皮膚の厚みや筋肉の量など、個人差がありますから、その都度よく観ながら手術を行う事が重要です。ですから「経験」として活かすことは大切です。しかし、すべてを同じように「慣れ」で行うと、これは上達しないと思います。
例を挙げますと、二重まぶたを作る埋没法の場合、手技上は同じ埋没法であっても、施術を受けられる患者様のまぶた側の状態が人によって違います。ご希望のラインや二重の幅も違います。さらに、皮膚の厚みや皮下組織の量など、いろいろな構成にも個人差がありますし、アイプチのやりすぎで皮膚が炎症を起こしているという場合なども含めて、手術に微妙な違いが出ることは十分ありえます。
そのため、その都度よく観察しながら、その手術内容を合わせていかなければなりません。
このように、個々の手術でも、一応の手術法としての名称は同じであっても、内容はほとんど同じではないのです。そのことが単に症例数という数字からではうかがい知れないのです。
その治療法について習熟しているかどうかということについては、症例件数でもある程度はつかめるものだと思いますが、あくまでも大まかな判断としてだと思いますから、細かい比較はできません。
つまり単純に、「100例やったという医師」より「200例やったという医師」の方が必ず上手であるとはいえないと思うのです。
では、何が影響するのかというと、私は「医師個人の考え方、集中力と観察力、性格、器用さ」などが影響するものだと思っています。その患者様のご希望に添えるように遂行しようとする方針で、手術を集中して観察し、どんどんうまくなってやるという求道的精神で行い、その時に器用さをうまく活かすことができればそれだけ有利だという事です。
その都度、1例目のごとく慎重に進めていくという慎重さが大切ではないかと思っています。
私からみて手術がうまいと思う先生は何人もいますが、かならずしも年配の先生ではありません。若くても「できる」人はいます。ということは、症例数に関係しないということだと思っています。
長々と書きましたが、「センス」や「才能」といえば一言ですむことだったのでしょうか。 (^_^;)

